「2号って何lb?」は、釣具屋の棚の前でいちばん多く出てくる疑問だと思います。ところが調べると、サイトによって書いてある数字が違う。これは誰かが間違えているのではなく、号数とlbは、そもそも別のものを測った数字だからです。
この記事では、号数とlbが何を表しているのか、なぜ一対一で換算できないのか、そのうえで実際に選ぶときはどう考えればいいのかを、数字つきで整理します。
先に結論
・号数は「太さ」。日本釣用品工業会(JAFS)の標準直径表で決まっている規格の数字です(1号 = 0.165mm)。
・lbは「強さ」。規格ではなく、各メーカーが自社製品について決めている表示です。
・だから正しい換算表は存在しません。目安として、ナイロン・フロロは「号数×4lb」、ただし1号あたり3.5〜4.5lbの幅があります。
・PEだけは号数の意味が違います。太さではなく重さで、1号 = 200デニールです。
号数は「太さ」の規格
号数は、もともと糸の重さ(5尺分の重さ)から来ている単位で、断面積に比例します。そのため直径は号数の平方根におおよそ比例し、1号 = 0.165mm を基準に d ≒ 0.165 × √号数 でだいたい説明がつきます。JAFS が公表している標準直径表は、この計算値を丸めたものです。
ナイロン・フロロカーボン・エステル(ポリエステル)は、この同じ表を使います。
| 号数 | 標準直径 | 号数 | 標準直径 |
|---|---|---|---|
| 0.4号 | 0.104 mm | 2.5号 | 0.260 mm |
| 0.6号 | 0.128 mm | 3号 | 0.285 mm |
| 0.8号 | 0.148 mm | 4号 | 0.330 mm |
| 1号 | 0.165 mm | 5号 | 0.370 mm |
| 1.5号 | 0.205 mm | 6号 | 0.405 mm |
| 2号 | 0.235 mm | 8号 | 0.470 mm |
※ JAFS 標準直径表からの抜粋です。表そのものは0.1号から100号まであります。
lbは「強さ」で、規格ではない
lb(ポンドテスト)は、その糸が切れるまでにかかる力の表示です。ここが規格ではないのが混乱のもとです。同じ0.235mm(2号)でも、素材や製法が違えば強さは変わりますし、どういう条件で測った値を載せるかもメーカーの判断になります。
そのうえで、実際に流通している製品を見比べると、ナイロンとフロロには「1号 = 約4lb」という慣習がかなりはっきり存在します。
| 素材 | 1号あたりの強度(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| ナイロン | 3.5 〜 4.5 lb(代表値 4) | 0.25〜5号では「×4」でよく一致する |
| フロロカーボン | 3.5 〜 4.5 lb(代表値 4) | 同上 |
| エステル | 4 〜 6 lb(代表値 5) | 統一した慣習が無く、ばらつきが大きい |
6号以上では「×4」から下振れします。たとえば6号は計算上24lbですが、実際の表記は22〜25lb あたりに散ります。太い番手ほど、掛け算で出した数字をそのまま信じないほうが安全です。
PEだけ、号数の意味が違う
ここは知らないと確実に間違えるところです。PEの号数は太さではなく重さで決まっています。JAFS の表の定義値で 1号 = 200デニール(9,000mあたり200g)です。
つまり、PEの「号数 → mm」は規格値ではなく、各社の公称値から拾った目安にすぎません。編み方(4本組か8本組か)で同じ号数でも太さは変わります。強度の幅も、ナイロンより明らかに大きくなります。
| PE号数 | 直径の目安 | 強度の幅(実製品) |
|---|---|---|
| 0.6号 | 約0.132 mm | 10 〜 14 lb |
| 0.8号 | 約0.153 mm | 14 〜 18 lb |
| 1号 | 約0.171 mm | 16 〜 22.5 lb |
| 1.5号 | 約0.205 mm | 27 〜 32 lb |
| 2号 | 約0.242 mm | 35 〜 40 lb |
| 3号 | 約0.296 mm | 45 〜 55 lb |
※ 強度の幅は、標準的な表記とメーカー3社(シマノ・よつあみ・サンライン)の公称値をあわせた範囲です。製品ごとの表示が優先です。
同じ1号でも 16lb と 22.5lb では4割違います。PEを買うときに「号数だけ見て強さを想像する」のは、ナイロンよりずっと危険だということです。
数字を実際に使うとき
ハリスは道糸より細くする
根掛かりや大物のとき、どこで切れてほしいかを先に決めます。ハリスを道糸と同じか少し細く(同号〜2号細く)しておくと、切れる場所を手前側に寄せられます。
ドラグは表示強度の1/4〜1/3
広く使われている目安です。表示20lb(20 × 0.45359237 = 約9.07kg)なら、2.3〜3.0kg あたり。ペットボトルに水を入れて吊るすと、道具なしでもだいたい確かめられます(2Lの水 ≒ 2kg)。
※ 結び目のところで強度は落ちますし、ガイドの摩擦でも実際の余裕は変わります。ここに書いた数字は出発点であって、保証値ではありません。
オモリの号数は糸の号数と関係ない
同じ「号」でも別物です。オモリの1号は1匁 = 3.75g ちょうどで、こちらは規格として確定しています。ライン0.8号にオモリ3号、のように単位が混ざるのが釣りの厄介なところです。
この換算をまとめてやる無料アプリ
この記事の数値はすべて、私が作った Tsuria というアプリの内蔵データから出しています。号数・lb・直径の相互換算のほか、オモリの号数↔g↔oz、ドラグ設定、リールの巻取り長、糸巻量の換算(3号150mのスプールに2号なら何m巻けるか)、ヒロ↔m↔ft が入っています。
強度のようにメーカーで差が出る値は、1つの数字ではなく幅で表示します。そこを断定しないのが、この手の道具でいちばん大事なところだと考えています。完全オフラインで動き、アカウント登録は不要です。Android(Google Play)向けで、iPhone版はありません。
まとめ
- 号数 = 太さの規格(JAFS標準直径・1号 = 0.165mm)
- lb = 強さの表示で規格ではない。だから正しい換算表は存在しない
- ナイロン・フロロの目安は 号数 × 4lb(幅は3.5〜4.5)。6号以上は下振れする
- PEの号数は重さ(1号 = 200デニール)。号数→mmは目安にすぎない
- 迷ったら製品パッケージの表示が最優先